インギー鶏とは・・・。
日本農林規格(JAS)に記載されている在来種の一 種で、鹿児島県及び南種子町の文化財として登録されている。 飼育については、鹿児島県熊毛郡南種子町でしか飼育されず、同町門外不出の鶏である。 (在来種とは、明治時代までに国内で成立し、又は導入され定着した品種。これらが由来の血液百分率が50%以上 の鶏が地鶏として認定される)
漂着地:前之浜海岸
ドラメルタン号漂着之碑
インギー物語
明治27年(1894年)4月25日の夜(午後11時頃と言われている)東シナ海から東に向け太平洋へ向かう途中の英国帆船ドラメルタン号が暴風雨のために種子島の前之浜海岸に漂着。これを発見した羽生嘉助という人物が集落の人々たちを集め、泳ぎの達者な若者3人(羽生たいへい、中里けさすけ、才川にいち)が救助に向かい29名が救助された。その時のエピソードが、3人が船に到着したが言葉が通じなかった。そこで3人はそのまま岸に戻って行った。しかし、夜中に何故船を発見出来たかという疑問が生じるが、当時は海岸で塩炊き(塩造り)を行っており、沖合に光を放ち、汽笛の音を出している船を見つけたと語り継がれている。そこで茎永(地名:現在のロケット基地のある地域)で教師をしていた伊地知先生に通訳をしてもらった。しかしあまり通じなかったとも言われている。(今となっては定かでないが)当時の周辺の集落では対応を決めかねて、現在の熊毛支庁(西之表市)まで約40キロの道のりを馬を走らせて伺いをたてに行った。その時の回答は地元民で対応しなさいと。その後、船の修理が終わるまでの間、乗組員たちを村人たちはそれぞれの家に連れて帰り、”インギーさん”(イギリス人)と呼んで厚くもてなしたという。その後、16名は5月3日に長崎に護送され、コ―ウェル船長と13名が島に残った。それから迎えがくるまでの約4ケ月あまり島民はお世話をしたという。そのお礼として船で飼われていた11羽の鶏が感謝の気持ちとして贈られました。その鶏こそが”インギー鶏”であり、今も種は守り継がれている。なぜ幻かと言うと、現在同種の鶏は世界中に確認されていない。また、当時の航海では冷蔵庫などなく、寄港したところで食料を調達したと思われるが、この”インギー鶏”が、どこの国のどこの港で調達されたかは今でも定かでない。
なお、現在も当時船で使われていた「鍋」と船の修理に使った「かなずち」、それから救助された乗組員からの「感謝の手紙」が才川家に保存されている。
明治47年(1972年)前之浜に「ドラムエルタン号漂着之碑」が建立される。(石碑に刻まれている文字)しかし、現在では一般的に「ドラメルタン号」と呼ばれている。 注:DRUMELTAN(ドラメルタンが正しいか?)ゲール語では、DRUM(丘)ELTAN(楡の木)
平成4年(1992年)南種子町の文化財に加えられた。
平成25年(2013年)鹿児島県の文化財に認定された。認定“インギー鶏”は、88羽 県の文化財指定を受けたために、”インギー鶏”のメニューが飲食店から消えた。(文化財指定を食することが禁止された)そのために、”インギー地鶏”として飲食店のメニューには表記されている。
私たちのビジョン
世界的にも貴重な原種である
”インギー鶏”をもっともっと知ってもらうために、私たちは愛情を込めて育てています。餌にもこだわり、地元の特産品である”安納芋”を配合飼料に混ぜて与えています。今後は地元の”超早場米コシヒカリ”の米ぬかも配合し、完全地元産で完結出来るように予定してます。
「安心・安全」な、そしておいしい食材として皆様にお届けできるように頑張って参ります。
インギー鶏
インギー地どり(黒)
純粋種
種子島の地鶏は比較的小型で黒っぽい羽を持つが、インギー鶏は一回り大きく黒っぽい羽毛に鮮やかな朱色の長い物が混じっており、雄の尾羽は長く尻を隠すように下に巻いているので、まるで無いように見える。元々航海用に吟味した品種であって飼いやすく肉は旨い、卵もよく産むということだが、人にはおとなしいものの仲間同士の喧嘩だとシャモなみに激しく、また、しょっちゅういがみあっている。難点は、大きさが小さく、肥育期間が長いのが難点である。生後7ケ月の雌で約1.3Kg程度です。
交配種
交配種の”インギー地どり(黒)”は、F1種(雑種第一代)であり、雌に”横斑プリマスロック”を掛け合わせた品種である。”横斑プリマスロック”はF1種の相手として選定される品種であり、地鶏として評価が高い。 今後、国産銘柄鶏としての認定の手続きが急がれている。また、他の地鶏との違いと特徴としては、給餌として種子島産「安納芋」を配合飼料に混ぜて与えており、肉質は甘みがあり、非常に美味である。平成27年度から、大学とのプロジェクトにより、”インギー地どり(黒)”と「安納芋」の加工飼料を給餌した具体的なデータ収集が予定されており、今後「安納芋」の給餌による肉質の変化が科学的に調査・証明されることになる。